答えを出すAIの先へ。「まだ見ぬ自分」に、ロボットと一緒に会いに行く
私たち人間にとって、この世で一番のミステリーは「自分自身」かもしれません。
「どうしてあんなこと言っちゃったんだろう」「本当はこう言いたかった」「本当はどうしたいんだろう」——自分の心の中での葛藤や、正解が見つからないこと、よくありませんか ?
「Hey Siri !」や「OK Google !」のように、私たちは日常的に機械へ話しかけるようになりました。でも多くの場合、「今何時 ?」「明日の天気は ?」「タイマーをセットして」といった用件を済ませるやり取りが多いと感じます。
それはとても便利です。しかし、今後のヒューマノイドロボットとの対話に求めているのは、AIから「正解」を教えてもらうことだけではないように感じます。むしろ、AIという「自分とは全く違う存在」を鏡にして、自分の中に眠っていた「本当の想い」を自分自身で掘り起こしたい——そのプロセスそのものを大切にしたいと考えています。
「正解」だけではたどり着けない、心の奥深さ
現在のAIは、膨大なデータから「もっともらしい答え」を導き出すことに長けています。しかし、自分探しの旅において、誰かが作った「正解」を提示されることほど、つまらないことはありません。
なぜなら、私たちの決断や情熱の源は、きれいなデータではなく、もっと泥臭い経験や言葉にできない心の揺れにあるからです。AIには「個人の痛み」や「譲れない美学」といった生身の体験が今はありません。だからこそ、AIが完璧な答えを出そうとするほど、私たちの心の中の本音からは遠ざかってしまう。この「難しさ」こそが、私たちがテクノロジーと向き合う上での面白い挑戦だと感じています。
AIを「答えを出す道具」から「心を引き出す鏡」へ
私たちが目指すのは、AIを単なる「便利な物知り博士」にすることではありません。そうではなく、たどたどしい言葉やまとまらない感情をそのまま受け止め、反射してくれる「静かな鏡」のような存在にすることです。
ロボットと対話を重ねる中で、「あ、私はいま、こんな言葉を使っているんだ」「こんな話をしている時、自分はワクワクしているな」という気づきが生まれます。AIに「あなたの答えはこれですよ」と言わせるのではなく、対話を通じて私たち自身が「あ、これが私の言いたかったことだ!」と発見する。その瞬間、AIはただの機械を超えて、「まだ見ぬ自分」を引き出してくれる最高のパートナーになると私は信じています。
効率の向こう側にある、人間臭い未来
効率や正しさだけを追い求めるなら、AIに全て任せればいいかもしれません。しかし、「なぜそれをやっているのか」という情熱や目的は、血の通った私たち人間にしか語れないものです。
不格好でもいい。迷っていてもいい。そんな人間臭い部分を、ロボットという新しい仲間と一緒に面白がれる未来を作りたい——完璧なAIではなく、人間がもっと自分自身にワクワクできるテクノロジー。
そんな温かい景色を、私たちは皆さんと一緒に描いていきたいと思っています。

